糖尿病で目がかすむのは白内障?網膜症?自己判断が危険な理由と受診の目安

「糖尿病の治療を続けているけれど、最近なんだか視界がかすむ気がする」
「ただの老眼だと思っていたら、急に見えにくくなってきた」
糖尿病を患っている方で、このような「目のかすみ」や「見えにくさ」を感じた場合、それは目からの重要なサインかもしれません。糖尿病は全身の血管に負担をかける病気ですが、細い血管が集中している「目」は、とくにその影響を受けやすい部位のひとつです。
本記事では、糖尿病の方が目のかすみを感じたときに考えられる原因や、放置する危険性、そして当院での治療体制について詳しくお伝えします。
「糖尿病で目がかすむ」場合に考えられる2つの原因
糖尿病をお持ちの方が「目がかすむ」と感じたとき、眼科領域で主に疑われるのは「白内障」と「糖尿病網膜症」の2つです。それぞれの特徴を見ていきましょう。
糖尿病の影響で進行が早まる「白内障」
白内障は、目の中でピントを合わせるレンズ(水晶体)が白く濁る病気です。加齢によって多くの方に起こりますが、糖尿病がある方は血糖値が高い状態が続くことで、水晶体に糖が蓄積しやすくなります。
その結果、一般的な加齢性白内障に比べて発症年齢が若く、40代や50代で症状が現れることも珍しくありません。
さらに、進行スピードが非常に速い傾向にあるため、「少し見えにくい」と感じてから数ヶ月であっという間に視界が真っ白に濁ってしまうケースもあります。
失明のリスクが潜む「糖尿病網膜症」
もうひとつの大きな原因が、糖尿病の三大合併症のひとつである「糖尿病網膜症」です。
目の奥には、カメラのフィルムにあたる「網膜」という薄い膜があります。
高血糖によって網膜の細い血管がダメージを受けると、血管が詰まったり破れて出血したりします。
初期段階ではほとんど自覚症状がありませんが、進行して網膜の中心部(黄斑)にむくみが生じると、視界がかすんだり、ゆがんで見えたりするようになります。
重症化すると視力に大きな影響を及ぼす、非常に怖い病気のひとつです。
白内障と網膜症が「同時に進行」しているケースも
「自分のかすみ目は白内障だから、網膜症ではないだろう」と安心してしまうのは禁物です。実際の診察では、白内障と糖尿病網膜症が「同時に進行している」ケースが頻繁に見受けられます。
かすみの原因がどちらか一方なのか、あるいは両方なのかは、ご自身の感覚だけで判断することはできません。
目のかすみを自己判断で放置する危険性
「まだ少しは見えているから」「そのうち治るかもしれないから」と、目のかすみを放置することには大きなリスクが伴います。
白内障の濁りが、重大な網膜症の発見を遅らせる
白内障が進行して水晶体が白く濁りきってしまうと、眼科医が特殊な機械を使っても、目の奥の網膜をしっかりと観察できなくなります。
つまり、白内障の濁りが邪魔をして、その後ろで静かに進行している「重度の糖尿病網膜症」を見逃してしまう恐れがあるのです。
網膜の異常を正確に把握し、適切なタイミングで治療を行うためにも、白内障が進行しすぎる前に目の状態を確認しておくことが重要です。
痛みがないまま進行し、突然視力を失う恐れも
目の病気、とくに糖尿病網膜症の恐ろしいところは、「痛みがないまま進行する」という点です。
「痛くないから大丈夫」と放置している間に、眼内で大出血(硝子体出血)を起こしたり、網膜が剥がれたりして、ある日突然、視界が真っ暗になってしまう危険性が潜んでいます。少しでも見え方に違和感を覚えたら、一度受診を検討してください。
糖尿病の方が「かすみ目」を感じた際の正しい対処法
内科での治療と並行して、速やかに眼科を受診する
糖尿病による目の合併症を防ぐためには、内科での血糖コントロールと、眼科での定期検診の両輪が欠かせません。
「内科で毎月血液検査をしているから目は大丈夫」というわけではなく、目の状態は眼科の専門的な検査でしか分からないのです。
かすみを感じたら、次回の内科の予約を待たずに、まずは眼科を受診して目の現状を把握しましょう。
目の奥の異常を正確に調べる「眼底検査」が必須です
眼科を受診された際は、視力検査だけでなく「眼底検査」を行うことが基本となります。
眼底検査とは、目薬を使って瞳孔を広げ(散瞳)、目の奥の網膜や血管の状態を詳しく調べる検査です。
この検査を行うことで、白内障の進行度合いだけでなく、隠れた糖尿病網膜症の有無を正確に診断することができます。
新倉敷きむら眼科での糖尿病患者さま向け治療
当院では、糖尿病をお持ちの患者さまが安心して治療に取り組めるよう、地域医療と連携したサポート体制を整えております。
内科との医療提携による、全身状態に配慮した安心の治療体制
目と全身の健康は深く繋がっています。そのため当院では、近隣の鴨居医院と医療提携を行っております。
白内障手術や網膜症の治療を検討する際は、血糖コントロール状況などを確認し、お身体の負担が少なく、もっとも安全に治療を行えるタイミングを慎重に見極めます。
持病をお持ちの方でも、安心して治療をお任せいただける環境づくりに努めております。
生涯にわたる目で見る喜びをめざし、白内障・緑内障・糖尿病網膜症などの専門的な診療にも対応可能です。
網膜硝子体外来を併設。合併症の早期発見・治療に対応
糖尿病の方にとって懸念となる「網膜症」に対しても、当院では専門的なケアが可能です。
「網膜硝子体外来」を併設しており、網膜疾患の診断と治療に力を入れています。
万が一、眼底検査で糖尿病網膜症や黄斑浮腫が見つかった場合でも、当院にてレーザー治療やお薬の注射(抗VEGF療法)など、進行を抑えるための適切な治療へスムーズに移行できます。
糖尿病の方でも安心。負担を抑えた日帰り白内障手術
白内障が進行している場合は、目薬による麻酔を使用した「日帰り白内障手術」をご案内しております。
手術は極小切開で行うため、お身体へのダメージを抑え、早期の回復が期待できます。糖尿病による感染症リスクなどにも十分配慮し、徹底した衛生管理のもとで安全な手術環境をご提供いたします。
糖尿病と目のかすみに関するよくあるご質問(Q&A)
Q. 血糖値が落ち着けば、目のかすみも自然に治りますか?
A. 血糖値の急激な変動によって一時的にピントが合いにくくなるケースはありますが、すでに進行してしまった白内障(水晶体の濁り)や、網膜の血管のダメージが、血糖値を下げるだけで自然に元の状態へ戻ることはありません。進行を抑えるためにも、眼科での適切な処置や治療が必要です。
Q. 内科の主治医からの紹介状がなくても、眼科を受診して良いですか?
A. はい、紹介状をお持ちでなくても直接ご来院いただけます。受診の際、問診票に糖尿病で治療中である旨をご記入ください。お薬手帳や、直近の血液検査の結果(HbA1cの数値が分かるもの)をお持ちいただけますと、よりスムーズで安全な診察に繋がります。
Q. 白内障と糖尿病網膜症が両方ある場合、どちらを先に治療しますか?
A. 患者さまの目の状態によって優先順位は異なります。
白内障の濁りが強すぎて網膜の治療が困難な場合は、先に白内障手術を行って視界をクリアにしてから、網膜の治療を行うケースがあります。一方で、網膜症の進行が網膜症の進行が急を要する場合は、レーザー治療などを優先することもございます。詳細な検査をおこなった上で、患者さまお一人おひとりに適した治療スケジュールをご提案いたします。
少しでも見え方に違和感がある方、あるいは内科で糖尿病と診断されたものの眼科を受診していない方は、症状が進行してしまう前に、ぜひ一度「新倉敷きむら眼科」へご相談ください。
- 監修医情報
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きむら眼科 院長
木村 大作 医師
