糖尿病だと白内障になりやすい?進行の速さや手術のリスクを眼科医が解説

「糖尿病の診断を受けているけれど、最近目が見えにくくなってきた」
「糖尿病だと白内障の手術ができないと聞いて不安に思っている」
当院にも、このようなお悩みで来院される患者さまがいらっしゃいます。糖尿病は全身の血管などに影響を及ぼす疾患ですが、実は「目」も影響を受けやすい器官のひとつです。
今回は、糖尿病と白内障の関係性や、手術を検討する際の注意点、大切な目を守るための予防について、当院の診療方針も交えながらお伝えします。
糖尿病と白内障の深い関係性とは?
白内障は、目の中でレンズの役割を果たしている「水晶体」が白く濁り、視力が低下する病気です。
加齢によって多くの方に起こりますが、糖尿病がある場合、この濁りが起こりやすくなることが分かっています。
糖尿病患者さまの白内障リスクは約5倍
一般的な加齢性白内障に比べ、糖尿病のある方は白内障を発症するリスクが約5倍高いというデータもあります。
年齢が若くても、糖尿病があることで白内障が早く現れるケースもあるため、内科での治療と並行して眼科で定期的に受診することが大切です。
なぜ糖尿病で白内障になる?
血糖値が高い状態が続くと、目の中の水晶体にも糖が入り込みます。
蓄積された糖がタンパク質と結びつく「糖化」などの影響により、本来透明であるはずの水晶体が白く濁りやすくなると考えられています。
加齢性白内障との違い
加齢による白内障は、数年単位でゆっくりと進行することが一般的です。
一方、糖尿病が原因の白内障は、40代や50代といった比較的若い年代でも発症しやすく、進行のスピードが速い傾向にあります。
短期間で視力が低下することもあるため、「少し見えにくいだけ」と様子を見ず、早めの治療が大切です。
「糖尿病だと白内障の手術ができない」は本当?
基本的に、一般的な白内障と同様に日帰り手術が可能です
「糖尿病があると手術が受けられないのでは」と心配される声をお聞きしますが、お体の状態によっては、一般的な白内障と同様の日帰り手術が可能です。
濁った水晶体を取り除き、代わりに人工の眼内レンズを挿入するという基本的な流れも変わりません。
当院でも、糖尿病をお持ちの患者さまの手術に多数対応しています。
手術前後の「血糖コントロール」が大切です
安全に手術を行い、術後の回復をスムーズにするためには、内科における良好な血糖コントロールが欠かせません。
血糖値が不安定な状態で手術をすると、傷の治りが遅くなったり、感染症のリスクが高まったりする恐れがあります。
そのため、かかりつけの内科医と連携しながら手術の時期を検討していきます。
見落としてはいけない「糖尿病網膜症」の併発リスク
白内障手術の際、とくに注意が必要なのが「糖尿病網膜症」の有無です。
網膜症が進行していると視力に影響を及ぼしますが、白内障の濁りが強いと、目の奥(網膜)の状態を外から正確に確認できないことがあります。
そのため、手術の前後には慎重に眼底検査を行い、網膜症が隠れていないかをチェックすることが重要になります。
糖尿病の方の白内障手術における注意点とリスク
糖尿病の患者さまの手術は可能ですが、健康な方に比べていくつかのリスクに注意を払う必要があります。
当院でも対策を徹底しておりますが、患者さまご自身にも知っておいていただきたいポイントがあります。
術後の感染症リスクが高くなる
糖尿病のある方は、免疫の働きが低下しやすく、細菌への抵抗力が弱まる傾向があります。
そのため、手術の傷口から細菌が入り込む「術後眼内炎」などのリスクに注意が必要です。
当院では手術時の衛生管理を徹底しておりますが、患者さまにも、術後の点眼薬を指示通りに使用していただくなど、ご協力をお願いしております。
「後発白内障」になりやすい傾向がある
白内障手術から数か月〜数年経って、レンズを入れた袋が再び濁ってくる「後発白内障」が起こることがあります。
糖尿病の患者さまは、この後発白内障の発症率がやや高いとされています。
もし術後に再び視界がかすむようなことがあれば、日帰りのレーザー治療で対応可能ですので、我慢せずにご相談ください。
術後も定期的な眼底検査が必須です
白内障の手術を受けて視界が明るくなると、通院を自己判断でやめてしまう方がいらっしゃいます。
しかし、手術はあくまで「レンズの濁りを取る」ものであり、糖尿病そのものや網膜症が治るわけではありません。
手術の影響で網膜症が進行するケースも稀にあるため、術後も継続して眼底検査を受けることが目を守ることにつながります。
白内障の進行を予防し、大切な目を守るために
内科と連携した毎日の血糖値管理
白内障の進行を和らげるためには、日々の食事や運動、お薬による血糖値のコントロールが基本となります。
血糖値が安定していれば、水晶体への影響も抑えられる可能性があります。内科での指導を守り、全身の状態を整えることが、結果的に目の健康維持にも役立ちます。
「見えにくさ」を感じたら、すぐに眼科を受診しましょう
糖尿病による白内障は進行が速いため、見え方に違和感を覚えた段階で、早めに眼科を受診することが大切です。
視力が極端に落ちてからだと手術の難易度が上がり、目への負担が大きくなることも考えられます。
自覚症状がなくても、定期的に眼科を受診する習慣をつけましょう。
新倉敷きむら眼科での糖尿病患者さまの白内障治療
網膜硝子体外来も併設。合併症の発見・治療にも対応
糖尿病の患者さまにとって、白内障だけでなく「糖尿病網膜症」などの合併症への対応は非常に重要です。
当院では「網膜硝子体外来」を併設しており、白内障の治療だけでなく、術前・術後の網膜の状態も専門的な視点から確認できる体制を整えています。
万が一、網膜症の進行や黄斑浮腫(目の奥のむくみ)が見つかった場合でも、当院にてレーザー治療や硝子体注射などの対応が可能です。一つのクリニックで一貫して検査・治療を行える環境づくりに努めております。
白内障についてお悩みの方は当院へご相談ください
糖尿病を患っていると、目の病気や手術に対して不安を感じることも多いかと思います。しかし、適切な時期に必要な治療を行えば、これまで通りの生活を維持することは十分に可能です。
見え方に不便を感じている方や、内科で糖尿病を指摘されたものの眼科を受診していない方は、ぜひ一度ご相談ください。患者さまお一人おひとりの全身状態に配慮しながら、負担を抑えた治療をご提案いたします。
- 監修医情報
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きむら眼科 院長
木村 大作 医師
